『おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。』

今回の妊娠で大変悲しい結果にはなったが、

この歳になって初めての経験がいろいろできたのは

ある意味ありがたいことと思った。

 

 

特に手術を予定していたのが自然流産となったことで

個人的にはショックを和らげることができたのでは、と思っている。

あの塊のなかのどこかに短い間私の第2子として懸命に生きていた子がいたのだ。

私はふたりめの子どもも自分の体から自然に送り出すことができたのだ。

それが機械によって吸い出される、掻き出される、ということになれば

こういう心境になれただろうか?

経験がないのでわからないが、なんとなくその自信はない。

また、自然流産の場合、ひとによっては出血量がおびただしく

貧血で気を失うことや嘔吐すること、また陣痛のような激しい痛みもあると

ネット上の体験談を見て覚悟していたが、出血量は確かに多かったものの

失神も嘔吐も激しい痛みも起こっていない。ありがたいことだ。

流産の様子をツレに伝えたときに親孝行のやさしい子だったんだろうね、

と彼は話していた。その通りだと思う。

誰に似たのかわからないし、顔も見ることはなかったが、やさしい子だった。

とてもやさしい子だった。

 

そして、最後に。

息子には今回の妊娠の話はしていないが、

「おかあさんは調子が悪いからしばらく会社を休むよ」

という話だけしていた。

そしたら今までにないくらい家の手伝いをしてくれた。

今までにないくらい、びっくりするくらい気を遣ってくれた。

そして、息子は、息子の母に起こったことを知ってか知らずか

休みの間に何度となく自分にこう言った。

「ぼく、妹がほしいなあ」

日ごろあまりおねだりをしない息子が珍しく『ほしい』と口にした。

彼のその願いが叶えられるかどうかはわからないけど

もうちょっとだけがんばってみるよ、と思いつつ

あとでこっそり泣いたことだけ記録しておこう。

 

さて、もうすぐひとつトシをとる。

現実を見つめつつ、もう少しだけ悪あがき。