流産翌日

流産の翌日。

 

 

息子もいるのでいつもどおりに起きなければならず心配だったが、

体調面は全く問題なかった。

生理痛のような痛みも下腹部に少し感じるのみ。

基礎体温を念のため測ると36.77℃、だいたいいつもの高温期と同じくらい。

体温が下がっていないということはまだ子宮内にいくらか残っていて

体は妊娠中と認識しているのかも知れない。

また、精神面も診察後のショックの大きさを思えば、

ひと晩でここまで落ち着けるんだと自分で驚くほど冷静だった。

学校に行く息子を送り出し、病院の診察開始時間に合わせて電話をかけた。

前日の晩に起きたことを話したら即診察に来てとの回答、そのまま病院に向かうと、

受け取った受付札の番号よりおそらくかなり早く名前を呼んでもらえた。

担当は前日と同じ医師。

体に痛みはないかなど聞かれ、答えた後すぐに内診。

映し出された経膣エコーの映像は前日までに見られた胎のうも、

ゆらゆら揺れる胎芽も見られなかった。

「一部組織を除きほとんど排出されています。胎のうも胎芽もありません。

 予定していた手術で残りを出してもいいですが、さほど量もなく、

 このまま投薬して様子を見てもいいでしょう。どちらかお好きな方をどうぞ」

と医師。

正直手術や麻酔に不慣れで極力そういったことは避けたいという思いもあり

後者を選び、手術はキャンセルした。

流産の痛みがほとんどなかったことについては

「前回下からお産してるから子宮口が開きやすくなっていて、

 そのためさほど痛みもないまま自然に出されたのでしょう」

との説明だった。

さらに、先日の診察で見つかったポリープもその場で取ってもらった。

そしてパッケージ1錠ごとに『妊婦・妊娠の可能性のある方は使用禁止』

と書かれている小さい錠剤、子宮収縮止血剤を1週間分もらって

飲みきったところで再度内診、ちょうど会社に申請した有給休暇の最終日に

再度通院することとなった。

 

この日の昼食後から薬の服用開始。

副作用として頭痛など起こる場合もあると調剤薬局で説明を受けたが、

そういった症状は見受けられない。

子宮の収縮に伴い軽い生理痛のような痛みもあるかも、

と医師からの説明もあったがそれもあるようなないような。

ただ、これは気のせいかも知れないが、服用後なんとなく胸のむかつきを感じる。

つわりを思い出させるもので、やはりこれは体がまだ妊娠中と認識してる

ということなのかと少し寂しさを感じる。

また、出血量は流産当日のあのおびただしさを思うとあっけないほど減り、

日中は夜用ナプキンがもったいないと感じる程度の量しかなかったので、

夕方になってから昼用のナプキンも買い足して使うことにした。

この日の夜は眠れなかった。翌日の午前3時ごろまで眠くなる気配すらなかった。

少なからず精神的なダメージはまだ残ってるんだろうな、

というサインと受け取り、ひとまず横になることだけを考えた。