休みを取ろう、と

妊娠検査薬の陽性反応が出て病院に行かねば、となったとき

会社にこの件をどの程度の範囲で伝えた方がいいのか考えた。

誰にも何も言わずに行動すべきではないと思ったのだ。

 

 

 

理由はいくつかある。

まず、限られた人数でシフトを組み働いている職場であり、

当時の職場が閑散期に入っていたことは幸いだったが

突発的な欠勤は極力避けなければならないということ。

多発すれば職を失う恐れもある。

また、自分自身の問題として、高齢での妊娠ならではのリスク、

流産の確率が非常に高いということ。

たまたま妊娠発覚前にネットで見た記事に『40代の流産の確率は40%』

といったなかなかパンチの効いたひとことがあり、

当時他人事のようにそれを見ていたのを思い出したのだ。

さらに思い出したのは、かつて自分と同じ職場で働いていたひとで、

妊娠していると話を聞いた後に急に長期休暇を取り、

それがどうやら流産によるものだったということが少なくとも2回あったのだ。

どちらも自分より若くいかにも健康そうな方だった。

 

そんなことをいろいろ考えた結果、陽性反応が出た直後の出勤日に

会社の直属の上司に自分の症状のみを報告し、

シフトに余裕のある日で休暇をいただきたいと相談した。

上司も女性でおそらくいろいろご存知なのだろう、

「妊娠してるの?」

とあっさり聞いてきて自分でもびっくりするほど食い気味に

「その可能性もあります」

と答えたのを覚えている。

受診前だからというのもあったが、それ以上に妊娠検査薬の説明書によると

閉経した場合でも陽性反応が出ることがあるそうで

年齢からすればその可能性も否定できないだろうなあ、というのが

頭のどこかにあったのだ。